メルマガ連動企画8月のお題「まちのあるきかた」

「まちのあるきかた」

「歩く」ってことをあんまりしなくなった毎日だなと思います。
でも、歩くスピードでしか感じられないことが沢山あるんだよな、ってのも思います。

観光地とかに行くと、やっぱりゆっくり歩きたくなる。
そのまちの時間ってのは、歩くことでよく体感できる。

今、実家を出てしまって、違う土地だけど、実家のまわりには本当に何も無かった。
中学生のときに引っ越して、それまで居たまちは、そこそこ都会で、便利だったから。
その何も無さが凄く嫌だった。
駅から家くらいまでは、まぁまぁ家も店もあるけど、離れれば離れるほど何もなく。
私の部屋から見えた景色は今も変わらず田んぼのまま。
引っ越した当初、隣家（でも親戚）の家の犬を散歩させるぜ！と思って家を出て。
目印になるものが何もないところで、すっかり迷子になった。
どこまで行ったって、田んぼで、草で、土手で。
暗くなって、悲しくなって、すっかりそのまちが嫌になった。
結局は、自分が思っていた方向とは全く違うほうへ向かう犬に連れられて、家に帰ったのだけど…。
犬は偉大だ。

歩いても、歩いても何もないあの景色。

不便であることも、つまらないと思うことも、いつしかどうでも良くなってしまったけど。

歩くことでしか、体感できなかったあの寂しさは、今はちょっと懐かしくて切ない。

離れてしまって思い浮かぶ「私のまち」は、歩いても歩いても変わらないあの景色。
迷子になって途方にくれる、何にもないあの道たち。



だからまぁ、
まちあるきには、犬が居るといいよね！